定本小川未明童話全集セット、第2回分で、11巻から16巻までと、別巻の合わせて7冊組です。
先の方の10冊分が見当たらないのが残念です。
吉行淳之介全集〈第1巻〉全短篇1
吉行 淳之介新潮社
新潮社
氏の芥川賞受賞作「驟雨」を始め、娼家街に住む女たちの生態を見つめた「軽い骨」、生と死が隣り合わせになった結核の長期入院患者たちの交流を描いた「漂う部屋」など、娼家街と闘病をモチーフにした暗いトーンの作品が多い初期作品集。
もともと病気がちで、二十一歳で終戦を迎え、戦後の窮乏のなかで、大学を中退し大衆雑誌の記者として働いていた吉行氏の当時の生活ぶりや関心事がそのまま文章になったような印象を受ける作品が多いです。時代の空気なのでしょうが、何となく重苦しく、諦めにみちた人々の生を、氏は見事に描き切っています。その人間観察眼の鋭さがややもすると冷たい印象を与えるのでしょうが、逆に言えば、その視点の普遍性が氏の作品を同時代的流行小説を突き抜けて、永遠に新鮮な存在にしているのだと思います。